本屋 ― 私が好きで昔からよく行っていた場所です。一番と言っても過言ではないくらい魅力的な場所です。これだけ聞くと読書家みたいですが子供の頃は本をまともに読んだ記憶がありません漫画以外は。
私の家から30分程歩いた場所に比較的大きめの本屋がありそこに小学生の頃から毎週お目当ての週刊少年ジャンプ( 以下「ジャンプ」と称する。)を買うために通っていました。ジャンプが売っている店でしたら家から徒歩15分程の場所にもありました。しかしあえて30分かけて行くその本屋が私は好きでした。
本屋独特の香りに様々な種類の本そして入荷したばかりの書籍を棚に入れていく店員の方々、全てが小学生の私にとっては魅力的でした。せっかく30分もかけてきたのですから普段手にすることのないジャンルや雑誌をたくさん見て回り小説コーナーで立ち読みもしてみました。手に取っただけなのに少し自分が賢くなったような気りました。
しかし最初のページをめくると一瞬で現実に戻されました。本を開き1行目を読んだ瞬間思いました「字ばっかり・・絵が一つもないし内容も難しい、、いったいこれの何が面白いんだ。」まるで学校で教科書を読んでいる気分になり2行目に行くことがすごく困難でした。教科書ならまだましです、フリガナもなく見たこともない漢字に難しすぎる内容、活字を読み慣れていない私にとっては高すぎる壁のように感じました。
今思うとあれがきっかけでさらに活字離れに拍車がかかったような気がします。もしあの頃分からないながらもいつかこんな本が読んでみたいと思えればまず小学生でも読める伝記ものなどから読み始め少しずつ慣れ親しむことが出来たかも知れませんでしたが、もともと勉強が嫌いだったのも相まって以前にも増して活字から目を背けるようになってしまいその分以前にも増して漫画の世界に入り込んでしまいました。
ですが本屋自体は好きでしたし活字だけでなく図鑑や雑誌など「読む」というよりどちらかと言うと「見る」本もたくさんありますのでそれからもジャンプを買うため30分歩いて毎週通いました。
活字に少し苦手意識はありましたが大人になるにつれ徐々に活字に触れる機会も増え、知りたいことがあると漫画目的ではなく本屋に通うようになったり、あまり読みませんが話題の本を見に行くようになり少しずつ本に馴染むようになりました。
最近ではカフェが隣接する書店もたくさんあり本を読むだけでなく寛ぐ場所にもなり本屋の楽しみ方が増えました。今やタブレットやスマホでも気軽に本を読むことは出来るようになりましたが、あえて本屋に通うからこそ得られるものがあるといつも思います。