もともと部屋のインテリアとして購入したウンベラータとソングオブジャマイカですが永く育てるうち徐々に愛着が沸いてきました。当然植物ですので話すことはありませんし、表情があるわけでもありませんが、水やりを疎かにすると枯れますし、逆にきちんと水やりをしていると葉の張りが違います。そして葉は日の光を浴びるためにそちらを向いて成長していきます。このように育て方によって状態は変化していきますし、こちらの思いに答えてくれますのである意味植物にも感情はあるのではないかと思います。
植物は生きることを決して諦めません。私の雑な育て方によって、もとの形状が変化してしまったソングオブジャマイカですら形を変え自身の現状をそのまま受け入れ環境に適応しながら臨機応変に成長していきます。決して観葉植物から水を要求することも日の光を求めることもありません。成長しただ「生きる」ということだけを目的にしています。
観葉植物には花のような可憐さはありませんし実がなることもありません、さらに見た目も地味で変化することはありません。しかしちゃんと世話をするとそれに答えてくれますし新芽はすごく鮮やかで癒されます。花はきれいで見ているだけで楽しい気持ちになりますが短命で枯れた時の様子に全盛期とのギャップを感じて儚い気持ちになります。地味ですが変わらず気持ちを込めて世話をすることでいつまでもそばにいて癒しを与えてくれる観葉植物の方が私は好きです。
また観葉植物の成長を人に置き換えることで人はどう生きるべきかを私に教えてくれます。人は生きる為に食べます。そのために仕事をしてお金を稼ぎますが植物と違うところは人は仕事をするときに周囲との関係に気を配ります。いわゆる空気を読みながら生きるということです。もし観葉植物が空気を読んだとするとどうでしょう、人に捨てられないようにするために癒しを与え続け本当は水を求めているのにそれを悟られないように必死に枯れることなく見た目を維持するかも分かりませんが実際そんなことはありません。
観葉植物の目的は「生きる」ということだけです。それ以上でもそれ以下でもありません。人のように仕事をするために空気を読んだり相手の内心が分からず悩んだりそれによって心をすり減らしたりすることもありません。人も観葉植物も生きて命を全うするという意味では同じ生き物だと思います。人を観葉植物に例えると一つのプランターの中で生きる為に相手より必死にたくさん根を張る範囲を奪いありそれによって元気に成長しているような印象を受けます。
人が生きていくためには競い合いは必要です。それがないと人は成長しませんし良い商品や製品も生まれないからです。しかし競うことばかりすると相手と比べることでしかご自身の成長を認識できなくなってしまいます。他力本願ではなくたまには昨日より今日、今日より明日のご自身がどれくらい成長しているかを考えてみることで働き方にも変化はあるのではないかと言うことを私は観葉植物から教わりました。